「今日の午後なんだけど、車貸してくれない?」
スマホで物件を見ていた僕は、アットホームで千葉県の大網白里市の築古戸建てを見つけて妻に話しかけた。
もちろん、快く車を使えると余裕をかましていたのだ。
しかし、返ってきた返事はNOだった。
理由は、娘と一緒に酒々井アウトレットに行く予定だからだという。
せっかく見つけた物件ではあるが、諦めるのも勿体ない。
これまでにも、何件も内見に行ってはいるが、なかなかこれというものがなかった。
今回も、見に行ったとしても空振りになる可能性は高い。
大網白里市の物件は、外観の写真からしても古かった。築年数は45年くらいだった。
駐車場も1台しかない。
しかし、僕は築古であっても、リフォームをした履歴かあるかを重視している。
なぜなら、購入してからリーシングするまでの期間を短縮したいからだ。
これについては、また別の機会に語ろうと思う。
この物件は、玄関ドア、お風呂、キッチンが写真では新しく見えた。
どうしても、現地を見てみたい。
ただし、JR外房線の大網白里駅からは、徒歩では行けない距離だ。
しかし、バスで向かうという最終手段が残っていた。
まずは、不動産会社に電話で問い合わせをしてみた。
アットホームに掲載されたばかりのこの物件は、すでに1人の内見予約が入っているという。
ただ、こちらも諦めるわけにはいかない。
電話越しの声から推測するに、不動産会社の営業の男性は、まだ20代〜30代の感じだった。
僕は、その営業にお願いして、予約した人の後でいいので、内見させて欲しいとお願いして、なんとかアポをとった。
これは、本気で向かうしかない。
これまでにも、何軒も内見をしてきたので、内見するアイテムは揃っていた。
それらをリュックに詰め込んで、いざ出発!
大網駅には、比較的すんなり行けたが、予想通り、すぐにはバスが無い。
バスのロータリーには、田舎あるあるではあるが、バスが停車しているが動き出す気配はない。
とりあえず、バスに乗って30分くらい待っただろうか。
ゆっくりとバスが発車した。
物件の最寄りのバス停までは、およそ15分くらいだろうか。寝る間もなくバス停に到着した。
不動産会社の営業と約束した時間まで、まだ1時間ちかくある。
とりあえず、物件が気になるので、歩いて見に行ってみた。
バス停から物件までは、歩いてほんの3分位の距離だ。
外から様子を伺ってみると、日産の白い新型のセレナが狭い駐車場に停まっていた。
玄関のドアは開けっぱなしで、中からかすかに話し声が聞こえた。
まずは、場所を確認できたので、近くのパン屋に入り、ホットコーヒーをオーダーした。
田舎ではあるが、あまり使われてないと思われるイートインスペースを陣取って、改めて愛用のMacBookで物件の概要をおさらいした。
おそらく、イートインスペースでパソコンを開くような客は珍しいのだろう。
店員の若い女性が、こちらをチラリと見る視線を感じていた。


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