築古戸建て購入の記録(大網1号物件) 第2話

大網白里市1号物件

「おっと、そろそろ時間か」

時計を見ると約束の14時半まで残り5分。

ちょうどコーヒーも飲み干したところだ。

内見セット詰め込んだ黒いリュックを肩がけして、パン屋を後にした。

「こんにちは」

と玄関の外から声をかけると、廊下の突き当りのリビングと思われる部屋から不動産会社の営業が現れた。

電話越しで推察した通りの30代手前くらいの若い営業マンだった。

僕はいつも通りに、まずは家の基礎から見ていった。

いつも決まって、家のまわりを反時計回りでチェックする。

これまでに、築古の戸建てを何軒もみてきた。

さすがに、築40年をこえる戸建ては、何かしらのクラックがあるものだ。

この家もご多分に漏れず、クラックがあった。とくに通気口の角のところはクラックが入りやすい。

この物件にも、基礎に多少クラックは見られたものの、致命的なクラックはなさそうだ。

ただ、1か所だけ、ベランダ下の1階の土間コンクリートに少し大きめのクラックがあった。

そして建物の外壁塗装もチェックした。

塗装が古くなると、チョーキングが発生する。

チョーキングのチェックは簡単で、建物の外壁を指でサッと触って白い粉が付くかを見るだけだ。

築古の戸建ての場合は、長い間、塗装してないことが多く、太陽から降り注がれる紫外線が塗装膜を破壊してチョーキングが起こってるものだ。

しかし、意外にもこの物件はチョーキングもほとんどなかった。

外側をひと通りチェックしたが、僕の基準では、ものすごくいい状態とは言えないけど、合格レベルだった。

不動産会社の営業マンは、玄関の外側に立って、僕が外側を見てるのを眺めていた。

まあ、築古の数百万円の戸建てなので、現況優先としての販売なので、購入者に判断をお任せするスタンスのようだ。

僕はその営業マンに

「中を見させてもらいますね」

と言って、1階の奥のリビングに入っていった。

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