「買付申込みを入れます」
このときの判断が、本当の意味で僕の不動産人生のスタートだった
その僕の発言に、営業マンの表情がパッと変わった。
笑顔ではなく、ようやく決まったかという安堵の表情だ。
その場でいろいろと悩んだが、決断をした主な理由はこんな感じだ。
・田舎だけどコンビニやスーパー、学校も近くにあって便利な立地
・すでにリフォームされている
・妻の実家にいく途中に立ち寄れるし、自宅から車で1時間以内で来れる
・入居者が居なくても、将来の老後の自宅としても使える
そして、最悪物件価値がゼロになつまたとしても、僕の生活が破綻しない。
最大の損失が限定的であることが、気持ち的には自らを後押しできたのだ。
僕は自宅で印刷してきた買付証明書をリュックから取り出して、キッチンのカウンターの上に置いた。
もちろん、金額は書いてない。
もう一度、思考を洗い出す。
マイソクの売出し価格は400万円。
僕の前に内見したのは業者らしい。
売主は一般人。
売却理由は自宅購入のため。
僕はゆっくりとボールペンを持ち上げて、買付証明書に380万円と書いた。
売出し価格から5%値引いた金額だ。
今ならあり得ないレベルの甘い買付だった
しかし、経験も相談相手も居なかった当時の僕は必死だった。
今の僕なら、積算価格を算出したり周辺物件との比較をきっちりしたり、リフォーム価格を計算したり、周辺の戸建て物件の家賃をみて想定家賃を算出したり、そこから想定利回りを計算したり、いろいろと数字をだして判断するだろう。
しかし、当時の僕は判断軸がなかった。
ほとんどが感覚での判断だった。
それでも、最大損失を軸にして自分で決断したのは偉い!
自分で自分を褒める。
なぜなら、とりあえずでもスタートラインに立ったからだ。
不動産賃貸業をやろうとする人はたくさんいる。
しかし、不動産の本を読んで、内見にすら行かない人も多い。
さらに、買付まで出す人はかなり少ない。
つまり、妄想して終わる人が多いのだ。
そんな中で、僕は自分で不動産賃貸業の経験を積む決断をした。
失敗するかもしれないが、始めなければ何も経験値を積めない。
僕は買付証明書の備考欄に
「大切にされてきたご自宅を引き継がせていただき、これからも大切に使わせていただきたいので、申し訳ないですが380万円でご検討お願いします。」
と書いて営業マンに渡した。
さて、結果はどうなったのか?


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