「もう、4月以降のプロジェクトの担当を割り振られてしまってます」
前の週の金曜日に、エージェントから転職先の正式回答が出ず、もう1週間待つことになったのだが、1週間後にまだ決まってなかった。
さすがに4月に入ると、現職での今期の仕事の分担がされてくる。
3月に先方の企業との最終面談をしたときには、まだそういった翌年度の仕事の割り振りがされていなかったので、退職するのに時間はかからないと伝えられたのだが、さすがに4月になるとそうはいかないものだ。
僕は、エージェントに正直に伝えた。
実際に、新しいプロジェクトがいくつかスタートしていて、僕が担当する流れになっていた。
まあ、会社から見たら当然と言えば当然の動きだ。
しかし、もし転職が決まって退職するとなると、後任も決めないといけないし、これまで積み上げてきたことも引き継ぐ時間が必要だ。
しかも、退職の意思を伝えるのが遅くなればなるほど、ゴールデンウィークの影響も重なり、退職日を後ろにずらさなければならない。
そんな状況になっていた。
それなのに、また回答は延期だった。
「これは何か問題が発生しているに違いない」
僕はそう思った。
エージェントの担当者も、さすがに焦っているのを感じた。
おそらく、僕が辞退するかもしれないと思ったからだろう。
実際に、プロジェクトが進捗すると、逃げられなくなるパターンの候補者もいるのかもしれない。
そんな状況を正直に伝えたので、翌週に再度、先方に確認するという。
僕がバーミヤンにボトルキープしていた黒霧島はなくなり、もう1本ボトルを追加した。
本当にこの待ち時間というのはしんどい。精神的な苦痛は半端ない。
どちらでもいいので結果が欲しい。
そう思った。
そして、待たされた翌週。
4月13日(月)。
いよいよ連絡が来ると思っていた。
しかし、その日も連絡がこなかった。
僕の中では、もう8割ダメだと覚悟を決めていた。
さすがに遅すぎる。
そして、翌4月14日(火)の夕方18時すぎ。
いよいよ、その時がやってきたのだ。
僕は事務所で仕事をしていて、エージェントから電話がきたのをみて、スマホを片手に席をたち、すぐ後ろの会議室に入った。
「もしもし」
エージェントの担当者は、先方企業から連絡があったと伝えてきた。
僕はスマホを握りしめたまま、思わず息を止めていた。
そして、エージェントの口から、ついに結果が告げられた。


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