築古戸建て購入の記録(大網1号物件) 第8話

大網白里市1号物件

「思ったより、ちゃんとした住宅地だな・・・」

物件の内見を終えて、周辺の環境を見るために、家の周りを散歩することにした。

すでに夕方になり、あたりは薄暗くなってきていた。

このあたりは、住宅地として区画整理されていて、住宅が立ち並んでいる。

ただし、空き地もちらほらとあり、完全に埋まっているような感じでもない。

ただ、その空き地にも所有者が書かれている小さなプレートが設置されていた。

「所有者がいるのに、どうして家が立ってないのだろう?」

そして、たまに空き家と思われる家もあったりした。

「やはり、人口が少ないやばいエリアなのだろうか?」

指値をした後で、だんだんとマイナス面が目についてくる。

ただ、悪い部分だけではない。

この物件の20m先では新築の工事をしていた。

しかも2軒も連続で建築中だ。

「新築の家が立つということは、まだまだいけるのか?」

周辺を見れば見るほど、迷いが生じてくる。

となりの区画の様子も見に行ってみると、同じように1軒だけ空き家らしきものがあるものの、まだ比較的新しい家もあったりした。

ぐるっとひと回りして、物件の近くまで歩いてきたら、先程の不動産屋の営業マンが、ちょうど車で帰るところだった。

「あっ!どうも、駅まで乗っていきます?」

営業マンが声をかけてくれた。

大網駅までのバスは、本数がそれほど多くない。

「お願いできますか?ありがとうございます。」

といって、営業車のセレナの後部座席に乗せてもらった。

夕方ということもあり、駅までは道路が少し混んでいたが、それでも15分くらいだった。

車内では、営業マンとプライベートな会話もできた。

・営業マンの出身地

・僕の妻の妹夫婦が同じ大網白里市に住んでいること

・妻の実家に行くときに、このあたりも通っていたこと

・僕の出身地のこと

・営業マンの会社のこと

などなど、ほとんど物件とは関係のない他愛のない話ばかりだった。

しかし、わずか15分の会話でも打ち解けることができてよかった。

「この営業マン、悪い人ではない」

そう確信して、信用できそうだと思った。

僕は大網駅のロータリーで下ろしてもらい、駅のホームへと歩いていった。

夕方ということもあり、大網駅の上り線のホームには千葉方面に向かう人が結構いた。

田舎とはいえ、東金方面からも合流してくるし、茂原駅からも人が乗ってくる駅だ。

そう考えると、駅からそれほど遠いわけでもないし、いい場所かもしれないと思えてきた。

自宅までの電車の中でも、マイソクを眺めながらいろいろなことを考えていた。

そして、やはり最終的には、

「最悪自分で住んでもいいかもしれない」

という結論に至った。

今ではそんな安直な基準で決断をすることはないのだが、最初の1軒目の購入ということもあって、かなり慎重になっていたのは間違いない。

千葉駅で電車を乗り換えて、無事に自宅に到着した。

自宅に到着すると、妻が夕飯の支度をしている。

「ただいま、なかなかいい家だったよ」

と、結果を妻に報告した。

「あ、そう。」

妻は忙しく料理をしているせいもあり、不動産には興味がまったくない様子だ。

この調子なら、買うと言っても大丈夫そうだ。ましてや、過去にも何度も内見をしていたので、免疫がついているはずだ。

「あのさ、買おうと思って買付入れてきた」

僕が話すと・・・

「えっ?本当に買うの?大丈夫なの?」

意外と反応があって驚いてしまった。

夕食を終え、僕は、撮影してきた写真と動画、そしてマイソクを妻に見せた。

「とりあえず、380万円で指値をしてきた。結果はわからない」

とだけ伝えた。

「まだ買えるかわからないからさ」

そういって、その日の妻との会話は終わった。

一般的には、妻が猛反対するっていう話も聞いていたが、僕の妻はそれほど反発しなくて安心したのだった。

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