「あれ?意外とそうなのか。」
この橘玲著「プアジャパン インフレ世界を生き抜く資本戦略」の第2章では、日本の現状についてグラフなどの具体的な数値を用いて説明してくれる。
いくつか日本の経済状況について説明があるのだが、僕は所得に関しては格差が広がっていないという点については、意外だなと思った。
テレビやマスコミを見ていると、ある会社の社長の役員報酬が数十億円とか、新入社員の初任給が30万円を超えている会社もあるとか、一部の人の所得が増えているような報道が目立つ。
僕は、普段からあまりテレビなどは見ないようにしている方だとはおもうのだが、どうしてもそういう印象が植え付けられているようだ。
でも、本書では給与所得の分布の推移のグラフが掲載されており、上位1%、上位10%、中央値の推移の折れ線グラフが平行に並んでいる。
そう、見た目「平行」なのだ。
もし所得の経済格差が広がっているのなら、平行ではなく、右に行くほど上位と中央値が離れていくはずだ。
これはとても意外だと思った。
そして、所得の再分配の話については、僕は「やっぱりそうなのか」という印象を受けた。
特に日本で暮らしていると、選挙が行われる際に各党によって、高齢者重視なのか若者重視なの公約なのかが分かれる。
どうしても人口の多い高齢者向けの公約を掲げている政党が多いのだが、ここ数年は若者に対する公約を掲げている党も増えているような印象はある。
ただ、それでもまだまだ圧倒的に高齢者優遇の公約が多い気がしていた。
しかし、具体的な根拠はない。
この本では、世帯類型別所得再分配状況が表になっており、「高齢者」と「母子世帯」という比較をした表が出ていた。
「母子世帯」という括りなので「若者」というカテゴリとの比較ではないのだが、それでも母子世帯への受給金額が低い。
著者はこれを「格差」ではなく「差別」と呼んだ。
たしかに、こうやって数字で出されるとかなり説得力が増す。
しかし、僕は高齢者と入っても様々な人がいるのも頭の片隅には置いておかないといけないと思っている。
よくテレビでは高齢者はお金を持っているというような報道をされる事が多いが、高齢者が全員そうかというと、そんなことはない。
ただ、生きている時間が長いと、同じ年代でも格差は広がるのだと僕は思っている。
こうした数値をもとに状況を説明しながら、結局日本は逃げ場のないインフレになっていくという未来を著者が描いている。
そして、第一章の近未来小説「日本人を待っていた浅い眠り2026年版」が、みんなが貧乏になった日本型スタグフレーションの世界だという。
ここまで読んで僕は
「もう現金を最小限にして株式や投資信託などの資産に切り替えないといけないのではないか」
と改めて思った。
さて、実際に橘玲氏はどう思っているのか。
次は第三章について書評を書いてみたいと思う。

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