「クロスの貼り替えとか、プロに任せるところはやってもらおう」
僕は、この大網白里市の物件を購入するときにそう決めていた。
YouTubeなどでは、簡単そうにDIYで交換している人の動画を見ていたのだが、実際に自分でやろうと思っても、なかなか難しそうだ。
そう思い、僕はリフォーム会社に見積もりを取ることにしていたのだ。
僕は、ネットや書籍などから、最低でも5社から見積もりをとって比較をしたほうがいいという知識だけはあった。
そこで、僕は5社をピックアップして、電話をしていった。
そのうちの1社は、僕が書籍で見つけていた会社で、賃貸物件のリフォームをしている会社だった。
僕の中では、本命の会社だ。
当時のコストはクロスが平米800円くらいだったと記憶している。
今では考えられないくらい安い金額だった。
そして、その他の業者は、物件の近くにある、いわゆる一般的なリフォーム会社だ。
僕は、有給休暇をとって、1日の中に5社の現地調査のスケジュールを詰め込んだ。
そして、現地調査の日。
最初に来てもらったのが、本命の業者だった。
(いま考えると、本命は最後に見てもらうのがいいと思っているが、そのときは知識もなく本命を最初に設定したのだ。)
リフォーム会社の現調中は、最初はどこをリフォームしたいのかを説明していった。
・クロス(LDKの部屋、隣の洋室化した部屋、2階の子供部屋)
・階段の手すりの修繕
・階段下収納の床の修繕
・2階の襖の貼り替え
・1階廊下の家族の手形があった壁の修繕(板貼りとクロス仕上げ)
本当に必要最低限の依頼だった。
その業者は2人できて、寸法を測っていった。
クロスの面積を計算していたのだ。
僕はその間、庭で草取りをして時間を潰していた。
「では、後日見積もりを出しますね」
慣れているようで、あっという間に計算をしたらしい。
さすが本命の業者。期待が持てそうだ。
そこからは、4社に同じように見てもらって、結局夕方近くまでかかった。
「はぁ、疲れたな。」
リフォーム内容を何度も説明して見てもらうだけでも大変だと思った。
事前に、紙にリフォーム依頼箇所などを書いて渡すべきだとその時は思った。
まあ、これも経験してみて初めて分かったことだった。
そのほかに思ったことは、賃貸物件のリフォーム業者ではない一般的の家のリフォーム会社のほうは、アドバイスがかなり細かった。
たとえば、階段下の収納の床を見てもらったときに、根太(ねだ)が途中で分断しているので、家の中央部に負荷がかかっているから、長い目でみて将来的によくない状態だと言われた。
たしかに、自宅など長期で見れば正しいのだろうけど、賃貸物件で業者の言いなりにリフォームをしていたら、収支が合わなくなる。
いかに必要なところにお金を使い、不要なところのコストを抑えるかが賃貸経営だ。
もちろん、安全面で問題があるようならやらなければならないが、今回はそのケースとは異なる。
正直、その業者のアドバイスを聞いていて、高い見積もりが出てきそうだなと思ってみていた。
その翌日、ある業者から見積がメールで送られてきた。
「やっぱりか。」
予想していた通り、本命のリフォーム会社からの見積もりだった。
「仕事が早いな」
正直そう思った。
そして、金額を見てみると予算をオーバーしてしまっていた。
「リフォーム内容を調整して交渉しよう」
僕は、リフォームの見積明細を1つずつチェックしていき、予算に合うように削れそうなところをピックアップしてみた。
「これでいけるかもしれない」
僕は、業者に連絡をとった。
そして、現実を知ることになる。


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