大家になって初めて感じた「仕事を生み出す」という実感

大網白里市1号物件

「リフォームに入らせていただいています」

土曜日の朝、僕は大網白里駅の近くにあるイオンで、リフォーム業者から電話でそう言われた。

僕は、初めての賃貸用の戸建てを購入して、毎週土日に物件に行くのが楽しくて仕方がなかった。

その日も、朝からイオンに立ち寄って、セリアでDIYできそうなアイテムを物色していたのだった。

「これもいいな。こっちもかわいいな。」

完全に趣味の世界だ。

100円ショップで、これだけウキウキしながら商品を選んでいるオジサンはなかなかいないだろう。

僕は、セリアで前から目につけていたスプーン型のフックを見ていた。

おそらく、何かの小物を引っ掛けておくためのものだとは思うのだが、カーテンのタッセル(カーテンをまとめてとめておく帯)を引っ掛けるのにいいかなと思った。

しかも、それがスプーンの形をしていてカワイイ。

ただ、元々はそういう用途で販売しているものではないので、少しフック部分のカーブが浅くて、本当に使えるのか分からなかったが、試しに1セットだけカゴに入れた。

あと、洗面所の洗面化粧台の脇の壁に、直径1センチくらいの穴が空いているのをどうしようか考えていた。

そんな中で、セリアでタイル状のシールが売られていた。

「これ使えるかもしれない!」

壁の穴は、リフォーム会社に依頼しても、その部分だけを補修してクロスを張り替えてくれることはほとんどない。

最低でも、その壁一面のクロスを張り替えることになる。

シールであれば、その部分だけをオシャレにアクセントのように見せられるし、何しろコストも100円で済む。

「よし、このタイル柄のシートを買っていこう」

本当に最近の100円ショップの商品はよくできている。

シールとはいえ、平らなシールではなくて、タイルを再現したような立体的な仕上がりになっている。

とりあえず、それ以外にも気になる商品を買って、物件へ向かう途中でコンビニでペットボトルのお茶を数本買って車を走らせた。

家に到着すると、すでに業者の車が停まっていて、中で職人さんが話をしているのが聞こえてきた。

「おはようございます」

僕は家の中に入っていった。

すでにクロスを貼るための機械が運び込まれたり、ボード類やクロスが置かれていた。

「どうもおはようございます。」

リフォーム会社の担当が出てきたので、僕はお茶を渡した。

今日は資材の搬入までで、翌日から本格的なリフォーム工事に入るとのことだった。

職人さんとも少し会話をして10分ほどすると、みんな帰っていった。

次の現場があるようだ。

僕はまた家の中に1人取り残された。

そして、リビングに置かれたクロスを貼る機械などを見て回った。

「こういうものを使って糊付けするのか」

自宅を建てるときに、このような機械を使って職人さんがクロスを貼っているのを見たことがあったが、こんなに間近で見たのは初めてだった。

それと、

「養生とかしておけばよかったな」

フローリングに養生シートが敷かれていないのが気になった。

まあ、軽く拭いただけだったし、どうせまた拭いた後でワックスするからいいかという感覚だった。

本来なら、このあたりもちゃんと確認しておけばよかったとも思った。

まあ、こういった細かいことも経験だ。

そして、こうしてリフォーム工事の業者さんが動いてくれているのを見ると、僕が行動をしたことで、仕事が生まれているという実感が湧いてきた。

これって、サラリーマンをしているとあまりない感覚だった。

なぜなら、会社として取引をしている業者に依頼をしているからだ。

これまでの僕は、会社の看板で仕事をしていた。

しかし、この日は違った。

自分がリフォームを依頼し、その結果として職人さんが現場で働いている。

大家という仕事は、家賃収入を得るだけではなく、人の仕事も生み出しているのだと、このとき初めて実感した。

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