投資の最適解は、なぜこんなにつまらないのか 【書評】橘玲「プアジャパン インフレ世界を生き抜く資本戦略」

プアジャパン インフレ世界を生き抜く資本戦略

あなたは、ふつうの人の最強の投資戦略として、何を買うのが一番いいのか悩んでないだろうか。

橘玲氏の「プアジャパン インフレ世界を生き抜く資本戦略」の第4章では、その答えをズバリと教えてくれる。

実は、この本を読んだ後で、どこかのYouTubeチャンネルで、橘氏本人もこのことについて解説をしてくれていた。

その内容が、まさにこの本で体系立てて書かれていた。橘玲氏の主張にブレはなかった。

この第4章では、まず資産を見える化するところから解説が始まる。

「40歳の会社員のポートフォリオ」と「65歳の年金生活者のポートフォリオ」という2パターンの例が示されている。

僕は初めて転職するまでは、「人的資本」についてあまり考えてなかった。

今考えてみれば、明らかに勉強不足だと自分でも思って反省している。

僕が思うに、僕の当時のようなサラリーマンは、貸借対照表(バランスシート)の見方は持ってない。

見ているのは常に、損益計算書(P/L)の一番最後に書いてある手残りだけだ。

しかし、貸借対照表を見てみると、僕たちサラリーマンは「人的資本」という目に見えない資本を持っている。

僕は、初めて転職するときに人的資本に気がついたのは、採用する企業側からしたら、サラリーマンとして働ける時間が短い僕と、長くその会社で働ける時間が長い若い人だったら、どちらが価値があるだろうかという考えを持ったときだった。

当時、転職希望者だった僕は、当然企業側からしたらサラリーマンとして働ける時間が短い僕は不利だろうなと思った。

それと同時に、逆にいえばこれから働ける時間が短いということは、これからの生涯年収は若い人よりかなり少ない。

つまり、人的資本が小さくなっていくのだと気がついたのがきっかけだ。

特に意識をしたわけではないのだが、転職が不利になるというのは理解していたが、そこから派生してたまたま人的資本が小さくなっていく未来に気がついたのだ。

そして、この本で紹介されている40歳と65歳の事例がまさに、人的資本が大きいかゼロかというのが描かれていた。

この章では、そこから「普通預金」「新窓販国債」「個人向け国債」「国債ファンド」「物価連動国債」「外貨預金」「米国債」「株式投資」についての解説が続いた。

ある程度、金融商品の知識がある人からすると、このあたりは完全におさらいレベル。

正直、退屈なところが続いた。僕は流し読み程度に読み進めた。

そして、結局何が最適解なのかが示されるのが、この章の最後の部分だ。

ネタバレになってしまうので、ここでは書かないが、僕からしたら

「まあ、そうだよね」

という結論だった。

僕が1つだけ言えることは、NISAでの投資はどんな投資よりも有利だと言うことだ。

通常、株式や投資信託の利益には約20%の税金がかかる。しかし、NISA口座で得た利益には税金がかからない。

これほど有利な投資制度は、ほかにはほとんどない。

不動産賃貸業では、減価償却を利用して節税する方法はあるが、あれだって売却時に結局税金がかかる。税金の先延ばしをしているだけだ。

NISAは完全に税金がかからない。

だから、まずはNISAを利用する。そのうえで、何を買うのが最適なのか。この章には橘氏の答えが書かれている。

ただし、橘氏が示す最適解については、僕がこれまで読んできた本の著者たちの間でも意見が分かれている。それが面白い。

ただ、それぞれの著者の主張というのは、前提条件がそれぞれ異なるから意見が分かれるのだと僕は思う。

そして、この本で橘玲氏が前提としている人は、「ごくふつうの日本人」ということだ。

それを踏まえて読むといいだろう。

しかし、橘玲氏の本は、最終的につまらない。

なぜなら、現実はたいていつまらない。そして橘氏は、そのつまらない現実をそのまま書くからだ

橘玲氏の主張にファンタジーは全く無い。

僕が橘玲氏の本が好きなのは、そういったつまらない現実を改めて教えてくれるところなのだ。

そして、次回は5章のインフレ時代の資産運用術の応用編についての僕が思ったことを語っていきたい。

コメント